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経年劣化という独自性

今回はC.P. COMPANYとSTONE ISLAND、
たぶん誰も意識したことがないかもしれない
僕が考えるその魅力について持論を話します。
前の記事で、結局何が面白いの?
って思った人もいるかもしれないので。

C.P. やSTONE ISLANDについての解説って、
だいたい必ず生地の話が出てくると思います。

なんだけど、まず何よりも先立つのは独自性です。

ブランドを創ったマッシモオスティも、
生地の前にどうやって独自性を打ち出すかって
ことに命を懸けていた気がします。
市場にないものを作る、という言葉が彼のquotesに
よく出てくるし、実際相当意識してたはず。
ぜったい単なる生地マニアじゃないと思う。

2つのブランドの歴史は、作るもの作るものが
有名無名関わらずコピーされ、価値を落とされ、
どうにかしてマネできないものを作り出そうと
悩み抜き、考え抜いてきた軌跡です。
それに最も有効な手段というか対象が結果的に
生地・素材だったのかなと。

服を作ったことがないので素人目線ですが、
生地を再現するってものすごく大変だと思う。
まずフレキシブルな工場を探すのが大変だし、
再現するにも大金が必要だし、糸の段階からもう
作れないかもしれないし、生地が出来上がっても
消費するだけの服を作らないといけない。
そこまでしてまだマネする?っていう。
僕なら最初から新しいものを作ります笑。

ただ、生地から作ってるブランドなら他にも
沢山あるし、ブランドでも服単体でも独自性の
高い生地を使ってる例も普通にある。
ならC.P.やSTONE ISLANDがどのように違うのか、
どうやって他と区別できるのか。

間違ってるかもしれないことを前提に
自分なりに見つけた勝手な理論ですが、
それは変化していく時間の早さです。

風合いの美しさでも、肌触りの良さでもない。
どんな生地でも変化するのは当たり前だけど、
C.P.とSTONE ISLANDは変化する時間の経過が
すごく早く、その表情もとても豊かです。

例えば50年代のヴィンテージウェアの風合い。
逆算したら6,70年かかる変化を、このブランドは
スタートから10年20年余裕でフライングします。
俗に言うユーズド加工に近いです。
lived-in lookと表現される、最初からある程度
使い込まれたようなフィニッシュ。

そこからの時間経過もまた早い。
水(洗濯)や温度湿度変化、取扱い方に逐一敏感と
いうか弱いというか、何も悪いことしてないのに
劣化と言っていいレベルの変化が表れたりします。
男らしく丈夫そうなルックスの服が多いのに
実はとても繊細で、環境に左右されやすい。
丈夫そうだからと雑に扱ったら壊れたりします。

イタリアで仕入れをしてて気づいたことですが、
同じ年代の服と比べても、C.P.やSTONE ISLANDは
コンディションの悪いものが結構多いんです。
ホントに20歳か?ってくらいくたびれてたり、
ボロボロになってたり。それはなぜか。

C.P.やSTONEの着用者ばかりが服を雑に扱ったり
着方がおかしい、なんてことはあり得ない。
で、考えられる理由が時間経過の早さなのかなと。
時計の針を速く回そうとするあまり、結果劣化する
までの時間も短縮されてしまうのではないかと。

経年劣化。
経年変化と言うほうが聞こえはいいんだけど、
それでもあえて劣化と言いたい。
それくらい時間の経過が早いし、結果ボロが多い。

半世紀も服作りをしていたら劣化することくらい
すぐ気がつくし、防ぐこともできそうなのに。
でもやらないってことはそういうこと。
初めから劣化することも想定したデザイン。
こんなブランド他にないと思う。

C.P. COMPANYやSTONE ISLANDの服って、
くたびれてもボロくなっても、その劇的な変化を
面白いと思えたり、これはこれでアリと前向きに
受けとめて楽しめたり。
全部が全部じゃないけど、そんな服だと思うし、
自分もそう前向きに楽しめるようになる服です。
脆い部分も含めて人間味のような、人の手で
ちゃんと作られた服って感じがするし。
あくまで持論だけどそれが自分の考える魅力です。

時間かけて最後まで読んじゃった人。
実際に実物見て答え合わせしに来てください。
よろしくお願いします。