生きてる実感
今ミラノのホテルです。明日が実働最終日。
ストーリーに流しましたが、
不覚にも海外でいらん初体験をしたお話です。
先週土曜だったかな、夕飯終えてホテル帰るとき。
イタリアに来た高揚をストーリーに流した直後の、
クーラー消したのになんか寒いな。。からが
今回のイタリアの、本当のスタートでした。
その感じた寒さはただの肌寒さなんかではなく
あなた発症しましたよ、の悪魔の囁きでした。
悪寒、頭痛、咳、焼けそうに熱い喉の痛み、
咳が止まらなくなる→えづき・吐き気、
ベッド入って30分1時間おきに目が覚めるたび
そんなオプションが追加されていった感じ。
いつもらったんだ?と思い出してみると、
意外と知らん人との濃厚接触が多い・・。
イギリスでの荷物出荷の時のドライバー、
(車の中がゴミだらけでめっちゃ汚かった)
イタリアに移動するときの飛行機内、
(意外とノーマスクで話してる人多かった)
ミラノに着いた夜に行ったレストラン、
(ティーン6人が隣で食べながら騒いでた)
電車待ってる時のミラノ中央駅の構内、
(死ぬほど観光客であふれてた)
車内で正面に座ったやけに興奮した青年、
(ドイツ語を話せと意味の分からない要求)
もちろんどの状況でもマスクはしてたけど、
時折飲んだり食べたりはしてたので。
でもそれだけで?っていう感じ。
日曜日はみんな休みなので、少し遠出して
美しい観光地に出向く予定だったけど、
諦めてというか動けないので一日ベッドの中。
この時点ではまだ感染した確証はなくて、
信じたくもなかったので、予定した通りに
月曜から仕事をするつもりでいました。
(イタリアに着いた夜のミラノ中央駅前、
イギリスが涼しかっただけに急な暑さに滅入った)
日曜一日寝てたし多少良くなったろと思いきや、
月曜朝もほぼ状況変わらず。これは動けん。
それまでケアするべきは身体だけだったのが
その辺りからだんだんと、
これ仕事できるよな・・
感染してないよな→症状検索→してるかも・・
え感染してたら予定通り帰れなくないか・・
治らんかったら病院?どこ行けばいいの・・
保険会社とか連絡したことないわめんど・・
領事館にも連絡するとか言ってためんど・・
てか仕入れできなかったら滞在延長・・?
延長するってなったら手続き何すんだ・・?
てか感染者を滞在延長させてくれるのか・・?
ホテル代と飛行機代いくらになるんだ・・
アポも全部連絡入れないといかんめんど・・
とりあえず日本食だ、って寿司しかねえ・・
こんな身体でピザパスタ食えるわけねえ・・
てかわざわざイタリアまで何しにきたんだ・・
もうやだ日本帰りたい・・でも帰れない・・
そういう無数の不安が次々に襲ってきて
(危機感からかこんなことに頭回りすぎる)
身体のダメージを上回るほど大きくなり、
絶望と呼んでもいいレベルのメンタルに。
めんどめんどは健康なら屁でもないことですが
あの時は、一本電話いれる→5キロ走るくらいの
レベルで、当たり前のことがなかなかできない。
で、こんな歳して母親に泣きついて
ああしろこうしろ言われながらまず薬局行って
検査キットと解熱剤をなんとか購入。
数十分おきに吐き気がくるので外出が怖い。
汗まみれ髪ペタペタ顔面激やつれ状態もつらい。
震える手で検査したら、positiveのラインが
一瞬にして真っ赤に。ここで感染判明。
あと解熱剤はお風呂のバブみたいな錠剤で、
口に入れて水一気飲みしたら炭酸の泡で
口がいっぱいになってまたオエッ・・と。
自己判断で薬買っても意味ないですホント。
(滞在したホテル、というか安宿からの景色。
この眺めも今回で最後、もうこんなとこ泊まらん)
で次は大使館にすがりつきの連絡。
優しく手引きしてくれるのかと思いきや、
ただちにホテルに報告せよと。義務らしい。
保健所と連携して、病院や食事の世話も
してくれる流れになっているはずです、
それが済んだらまた連絡してくださいと。
で、その旨をホテルのオーナーに伝えると
「どうしたい?出て行きたい?」との鬼レス。
いやいやどこも行くとこないよ・・と返すと
「じゃあ部屋にいなさい、でも外出時は
マスクと手袋は必ずしてくれ、重要だ」
保健所連絡してくれんかね・・と頼むと、
「まずは最大限内密にしてほしい、でないと
他の客が逃げて私は損害を被ることになる、
(治療は)薬局行って検査を受けなさい、
で彼らと話し合ってまた3,4日後に検査を」
「あと窓は開けた方がいい、除菌グッズ
渡すから風呂トイレ使用時はそれ使って」
大使館は夢を語り、ホテルは現実を語る。
ホントに誰も頼りにならない、信用できない。
みんな自分が大事で、面倒は嫌いなんです。
怒るわけでも落ちるわけでもなく、何か納得。
この一連のやりとりが良い方に転んだのか、
もう自力で何とかする、意地でも治す、
そんな気持ちに変わっていった気がする。
それから紹介された薬局に改めて出向き、
「感染してる・・可能性が高い」と伝えて
(本当のこと伝えるのが怖くなってる)
症状を説明すると、これとこれを飲んでと
今度はしっかり薬剤師の勧める薬。
腹が減っているので何か食べないとと思い、
スーパーに寄ってカットフルーツと水分。
パンとかピザみたいな乾燥系は喉を怒らせて
バックファイヤーするのでまだ無理だった。
こっちではカットフルーツは人気ないのか、
まったくうまくない。でも腹に入れる。
これが火曜日の出来事。
(近くの大衆食堂。イキって流したストーリーは
なかったことにしたいくらい今は恥ずかしい)
しばらく寝ては連絡等のワンアクション、
目が覚めたら水とオレンジジュース、
そのルーティンに薬剤師お墨付きの薬が加わり、
ここでこの新加入が目覚ましい結果を残すことに。
水曜朝起きた時点で頭痛、熱、のどの痛みは
ほとんどなく、痛みがないので普通に動けるし、
イタリアンでも食べられそうなほどまで回復。
できるだけ優しいものをと、ボンゴレを注文して
なんとか半分くらいは食べられた。
何かを食べると体力がつき、体力がつくと
気力がわいてくる。気力がわいてくると
今までネガティブだったことのすべてを
ポジティブに考えられるようになる。
そんなん高校生でもわかると言われそうですが。
ただなぜか吐き気だけは孤軍奮闘してて、
外歩いてる時、モノ食べてる時もお構いなしに
突然くるので気はまったく抜けなかったけど、
やっと仕事ができる、やりたいことがやれる、
その喜びで全身に力が漲ってたまらなかった。
もうこの時点で、ウイルスはまだ身体の中に
残ってはいるんだろうけど、意識レベルでは
完全に回復したという実感がありました。
睡眠中心が3日、体力回復1日。長かった。
(金曜日は無我夢中でひたすらモノを見まくって、
終わって気がついたら服の画像がこれしかなかった。
買ったものではないし、なぜ撮ったかも記憶にない)
ここ1,2日は別人か?ってほどスーパーポジティブ。
海外にいる高揚とは違う、今を生きている実感と
何もしてなくても幸せを感じられる状態。
(コロナで頭がイカれた可能性もあり)
それってたぶん今までにないほど大きな危機に
直面して、歯食いしばってなんとか自分自身で
問題をクリアできた、だからこそなのかなと。
もちろん友達や親とのやりとりに助けられた部分は
ものすごく大きかったですが、あくまで現場では。
生きてる実感とか、有限な生を大切に思えるって
なかなか普段の生活の中では難しいけど、
何か大きなことにチャレンジしたり、その中で
危機を乗り越えていくことで得られるものなんだと、
今さらながら気が付けたことが何よりの収穫。
まあ自分からアクションを起こしたわけじゃなく、
コロナが自分にアクションをけしかけたってのが
情けなくもあり、自分らしくもあるとは思うけど。
以上そんな話でした。
これでも端折った部分はありますが、十分長い。
今日服の写真も撮ったのにそこまで書けなかった。
でも勢いはついたので、服の方はまた近々。
明日も早いのでそろそろ寝ます、おやすみなさい。