時が止まったイギリス古着(2)
こんにちは。
なかなかbloggyなグルーブに戻れず
間が空いてしまいました。
また書く書く詐欺を働いてしまった・・
仕入れの記憶がだいぶ薄れてきたのと、
個別で紹介したいこともこれのせいで
渋滞してるのでいいかげん終わらせます。
前回は日本のイギリス古着観について、
だいぶ老けてきてる、って話でした。
もう忘れてるかもですが。
日本で人気が出るイギリスって、
なぜか伝統推しやハイクラスばかり。
王室御用達とか、各部門の最高峰とか、
そういうものにみんな盲目的に弱い。
古着はもちろん、古着に限らず。
まあ自分もそういうとこあるけど…
もちろん良いものは良いで間違いないし、
イギリスにはそういったものが多く存在
するのも大きな理由だと思います。
ならイギリスで、僕らと同じ一般庶民が
一体何を着て、どんな格好してるのか、
知ってる人は意外に少ない気がします。
まさかバーバリーやバブアーが向こうの
一般人の間でも普通に着られてる、
なんて思ってる人はいないはず。
大衆スタンダードはすっ飛ばして
てっぺんばかり見上げている、
そんな"クラシックな"イギリス観は
ほとんど日本固有のものです。
それくらい現実からはかけ離れてます。
外国人が京都を旅行して、日本は
こんな国だと言ってる感じです。
日本で大衆スタンダードといったら、
国内発でいえばユニクロや無印良品、
海外発ならGAP、ZARA、H&Mとか。
スペインやスウェーデンはいるのに、
なぜかこのクラスにイギリスはいません。
昔から日本に馴染みの深いイギリスも、
大衆に降りたとたん姿を消します。
イギリスにも自国の大衆衣料メーカーは
普通にあるんです。日本より断然多いし。
でもこっちじゃほとんど誰も知らない。
実際過去にイギリスの大手が参入を
試みたもののみんな撤退しているので、
日本とイギリスの大衆の趣向にはそれだけ
大きなギャップがあるのかもしれません。
スタンダードはスルーして、昔の服や
トップだけ見てイギリスを評価するのって
間違ってはいないんだけど、リアルでもない。
前に海外で「サムライの国、日本の文化を
尊敬してるんだ」と言われたことあるけど、
もうただ微笑むしかない。
日本のイギリス観ってそれに近いと思う。
その抜け落ちたイギリスの大衆スタンダード。
その部分を分かりやすく象徴しているのが、
MARKS & SPENCER やNEXT, BURTONなどの
イギリス生まれのハイストリートブランドです。
ハイストリート=大衆、です。
大通りには必ずあるって意味からの言葉で、
ストリートウェアとは関係ないです。
デイリーウェアやキャッチーなトレンドを
低価格で提供する庶民の味方。
売上でいったらZARAやH&Mには敵わないし、
ブランドによっては買収の波にさらされてる
厳しい現実もあるっちゃあります。
あのTOPSHOPですら店舗なくなりましたし。
(Oxford St.のTOPSHOPなくなったぞ、って
知り合いに聞いてビックリした)
それでもイギリスの大衆スタンダードって点では
やっぱり自国発のブランドが一番クラシック。
特に上記3つはどれも100年以上の歴史があり、
イギリスの市場を意識している傾向が強い。
要はイギリスらしいわけです。
トレンド最優先の新進ECじゃダメなんです。
特にイギリスを着る、扱う、語る上で
MARKS & SPENCERはとても大きな存在。
ここ抜きにして話は成立しないくらい。
タイムレスな視点、トレンドとの距離感。
いくら長い歴史のあるブランドであっても
ずっと同じことやってたら必ず廃れるので、
各々が時代時代にアジャストしてるはずですが、
マークス&スペンサーはそのアジャストセンスが
一流クラシックブランドのそれに近い。
トレンドへのアプローチに節度がある。
デザインや品質の安定感も、畑は違うけど
CP COMPANYやSTONE ISLANDのように
良い意味で熱量の上下動が少ない。
しかもそれをずっと持続、継続している。
嵐のように吹き荒れては過ぎ去るトレンドや
ファッションブランドとは一線を画してます。
全国展開のスーパーをメイン事業にする
会社なので、トレンドに乗り遅れたら
一気に経営が傾くような危うさもない。
そのおかげか店内の様子も服のデザインも
どこか余裕が感じられるというか。
基盤がしっかりしてるからこその安定感。
それこそスーパーはどの町でも目にするので、
バーバリーやバブアーは知らない子どもでも
マークス&スペンサーなら知ってる。
それくらい現地での知名度や信頼度は抜群。
イギリスを支えるライフスタイルブランドと
言ってもいいくらい。
取り扱ってるお店はまだほんの少しですが、
今後必ず、それこそバーバリーやバブアーの
ように広く知られるようになる名前です。
そうなる条件もいくつか揃ってるし、
取り扱うお店は間違いなく増えるはずです。
スタンダードの欠けた日本のイギリス古着を
土台となって支えられるポテンシャルをもった、
次世代候補の筆頭だと思います。
特に王室御用達とか、セレブの誰が着たとか、
そんなブリットポップなフックはないけど、
ありふれ過ぎてて取り上げられないだけで
王室の人たちも何かしらは着てると思う。
関係ない話ですが、”王室では王室御用達の
ブランドしか使わない"、わけないです。
非公式な場では普通にラフな格好してます。
これについては個人的に熱い話があって、
いずれまた書きます。
僕個人としては興味ある人たちの間で
少しでも盛り上がればそれでいいんです。
こんなに熱く語る必要なんてない。
でも、繰り返しにはなってしまうけど
前に進む気配のない日本のイギリス古着を
微力でも盛り上げたい気持ちが少しあって。
あと、イギリスのハイストリートなんて
物量にしろイギリス服における立ち位置にしろ
独り占めできるような規模じゃないので、
こそこそナイショでやってても仕方ない、
ならしっかり自分なりに伝えたいなと。
まあ僕が伝えなくてもいずれ広まる、
広まっていくべきカテゴリーなので。
大衆レベルのリアリティは求めてない、
俺は一流にしか興味がないんだ、って人には
響かないかもしれません。
イギリスに出稼ぎにくるロシア人みたいな。
ただ既存のイギリス古着の定番と同様に
一過性のトレンドでブレたりしないし、
簡単に廃れるものではないことも確かです。
あっちへいったりそっちへいったり
フラフラしてきた店の言うことなんて
信用できないかもしれませんが笑、
イギリスのハイストリートに関しては
ずっと前から長いこと扱ってきたし、
今も変わらず胸張って伝えられるし、
CP COMPANYやSTONE ISLAND同様に
可能な限り今後も続けていくつもりです。
結局何が言いたいの?って、
イギリスは大衆も面白いってことです。
表向きは限りなくunderstatedですが、
物事の機微にやたら敏感で、細かいことに
異常なほどこだわる日本人こそ理解できる、
そんなカテゴリーだと思ってます。
長文読んでくれてありがとうございます。
これで店の大きな傾向を掴んでもらえたら
とても、とても嬉しいです。
ホントはもっと他のことも書きたかったけど
結局またハイストリートの話になってしまった。
次は上にのっけた画像についても個別で書きます。
他のこともいろいろと。ではチャオチャオチャオ…