a touch of secondhand
こんにちは。
夏の間は店の空気をできるだけ軽くしたくて
極力差すのを控えていた黒。
だんだんむしむしする日が減ってきたので
そろそろいいかなと、並べることにしました。
本当はアイボリーとか白が強めのグレーとかと
一緒にしたいけどその辺の数がなく・・
まだ並びが決まってません。何とかします。
季節なのか気分なのか、自分が着ている黒は
どれも天然素材だったり、色褪せていたり、
デザイン、質感、色のトーンどこかにかならず
軽さや柔らかさ、カジュアルな感じがあるので、
買ってきたのもそんな黒ばっかりです。
いくつか拾って紹介してみます。
お馴染みMARKS & SPENCER。
綿ローンのボタンダウン。
綿100の黒いシャツは初めて見ました。
ほぼグレーってくらい色あせています。
おかげで真っ黒よりだいぶ柔らかい印象。
いかにも古着らしい黒です。
これの個人的にすごいと思うところは、
こんだけ色あせてるのにスレやキズが
ほとんどないところ。
ボロでもそれはそれで構わないのに。
そこまで耐久性に特化した生地じゃないし、
かといって日なたに放置してた感じもないし、
着方、洗い方、どう着てきたらこうなるのか
持ってた人に聞きたい不思議なコンディション。
形や全体のルックスにクセがないのは
安心のMARKS & SPENCERらしさですが、
黒のボタンダウンなんてまったくクラシック
じゃないので、そのギャップが面白いです。
個人的にスペシャルな一着です。
現行も確かこんなのなかった気がするけど、
もしあったら数着まとめ買いしたい。
今度イギリス行ったときにチェックします。
これもお馴染みTHREE SIXTY。
スウェット、フーディは色々見てきたけど
これも黒は初めてです。
既に知ってる人にはこの360という数字が
THREE SIXTY=UKスケートとつながるけど、
それを知らないほとんどの人にとっては
このよくわからないナンバリングが
なんだか間の抜けた感じに写る気がします。
スケートという固定イメージを一旦外すと、
普通の古着のプリントスウェットとして
もっと頭では着やすくなると思います。
ここのスウェットはユーロ規格のボディを
使っているものがほとんとですが、
これは珍しくUS規格のボディです。
90/10のコンポジションもあって他のより
やや硬めの質感ですが、こっちの方が
日本では馴染みのある生地だと思います。
まだタグすら付いてないだいぶ昔の、
おそらく90年代終わり頃のもの。
UK、スウェット、ブラック、スケート・・
見た目シンプルだけど、だれもこれが
イギリス古着だとは思わないくらい
だいぶひねくれたバックグラウンドです。
だいぶ横に広いボイラースーツ。
いかにも80'sのデザイナーズらしい形ですが
デザイナーズではなさそうです。
インド製で、やや粗めのインド綿。
これがイギリス古着かと言われたら
正直わかりませんが、ケンジントン近くの
チャリティショップで見つけたので、
着てたのは多分イギリス人かと思います。
そこは物量こそ多かったけど内容がひどすぎて
なんか腹が立っていったん何も買わずに出て、
しばらく歩いてからやっぱりコレが気になって、
またなんか腹立てつつ引き返して買いました。
袖にNORDISK FORUM 85というプリント。
NORDISKは英語でいうノルディック、
スカンジナビアの意味です。
1985年に北欧で催された何かのフォーラム。
検索したら一番上にドキュメンタリー映画の
イベントが出てきました。真偽は不明だけど
デザインからなんとなく腑には落ちる。
1985年にこんな真っ黒のボイラースーツ着た
スタッフが大勢うろうろしてたイベントなんて
だいぶ先進的な感じがします。
着画あるのでインスタの方にポストします。
7月のARTICLEに書いたデザイナーさんの
スタジオにあった、その彼が90年代に作った
サンプルのセーター。のうちの一枚。
名前はないけどどれも服として良かったので、
まとめて10数枚買いました。
現行品かってくらい時代感のないデザイン。
素材表記タブだけ付いてて、見たらリネンでした。
綿かと思ってた。夏にだせばよかった。
特にこれといって拾うような部分はないけど、
個人的にはできる限りベースウェアも古着がいいので
そんな人にとっては着やすい服だと思います。
よく見たら袖に編み目が変わっている
ところがある・・それくらいです。
マジで書くことがないくらい普通なので
実際に店頭で手に取って見てみてください。
なんだかわからんけどなんか良い、くらいは
思ってもらえると思います。
デザインは違いますが、そのサンプルセーター
何枚か並べてます。
90年代らしいものもあれば、これみたいに
匿名性が高いものも。古着らしくないけど古着。
まだまだあるけどこれで最後にします。
90年代のイギリス、PAXというローカル
インディブランドのシャツ?とパンツ。
僕も知らないし、おそらく誰も知らない。
スーツではないですが、どっちもミリタリー
デザイン満載なところが似ているので
なんとなくスーツっぽく見えます。
一つ?二つ?前のARTICLEに書いた、
デザイナーを夢見たイギリスの若者から
当時着てたのを譲ってもらったもの。
いくらイギリスの90'Sファッションに
詳しくても、日本にいたらまず知りえない服、
情報はとても貴重です。
アメリカのファティーグジャケットのような
胸ポケットのレイアウトに、イギリスのMK3?
のペンポケットが付いた米英のハイブリッド。
イギリスの地方のデザイナーですら90年代に
こんなの作ってるんだから世界は広いです。
新しいと思うものが実は何にも新しくない。
自分の知見の狭さを思い知らされます。
ちなみに素材はシルクみたいなポリエステル。
すべすべで気持ちいいけど、タバコの火粉で一発です。
実際この持ち主がこれ着て草吸ってたらしく、
よく見ると小さい穴がポツポツ。
キミの持ってる服こんなんばっかだな。
ボタンも2,3個ないし。早くつけないと・・
パンツの方もイギリス軍らしいサイド片ポケに、
同じくイギリス軍のトレーニングジョガーみたいな
裾のジップ&ギャザーリブ仕様。
イギリス軍が好きな人には馴染みの作りなので
デザイン自体そんなマニアックではないですね。
このブランドは地方から出てないみたいなことを
確か言ってた気がします。こんな服を作る人が
マイナーなまんま消えてしまったことも
イギリスの80'S, 90'Sの奥深さを物語ってますね。
こういうの無数にあるんだと思います。
とりあえず単体の紹介は以上です。
残りは後でストーリーにでもポストします。
既にどのレールもぎゅうぎゅうで、
ハンガーも足りずまとめて並べきれないので
金土日に振り分けて出していくつもりです。
ネタが渋滞してるのでまた近く書きます。
では今週もよろしくお願いします。